廃棄物の定義を理解するためにとても重要な判例のひとつに、俗にいう「おから裁判」というものがあります。
最高裁判所まで争われた裁判事例で、まさに廃棄物の定義が争点とされました。
裁判の概要
1993年になされたこの判決で最高裁判所は、被告人敗訴を言い渡しました。
裁判の概要 被告の業者は、廃棄物処理業の許可を取得せずに「おから」を収集・運搬し、乾燥処理をしていたが、廃棄物処理法の無許可営業に当たるとして起訴された。
1審2審とも被告人が有罪とされたため、最高裁判所に上告し、「おから」は食用あるいは飼料・肥料として広く利用されている社会的に有用な資源であり、廃棄物処理法の「不要物」に該当しないと主張した。
最高裁は、廃棄物の定義を「占有者が自ら利用し、または他人に有償で売却することができないため、不要になったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無および占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきもの。」としたうえで、「おからは豆腐製造時に大量に発生するが、非常に腐敗しやすく、食用として有償で取引されるわずかな量を除き、大部分は無償で牧畜業者に引き渡され、あるいは有料で廃棄物処理業者に処理が委託されており、被告人が豆腐製造業者から処理料金を徴収して収集・運搬、処分をしていたのであるから、本件おからは法律でいう産業廃棄物に該当する。」と判断し、被告を有罪とした。
まとめ
この判決の後も、建物の解体工事から発生した「木くず」が廃棄物か否か争われた、いわゆる 「木くず」裁判(2004年水戸地方裁判所) をはじめとして、廃棄物の該当性を争点にしたいくつもの裁判が行われています。
極論をいえば、 廃棄物か否かは裁判をしないと決まらないという、 廃棄物の定義の難しさを表したものであるといえます。
自社が収集・運搬予定のものが廃棄物処理法でいう廃棄物に該当するのか迷うようなケースは、産業廃棄物収集運搬業許可を事前に取得しておくことをおすすめします。
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